
このページでは、サーモグラフィーの検温温度と電子体温計(予測式、実測式)、非接触式体温計の検温結果を比べて検証した結果を公開しています。
電子体温計はオムロンMC-687、非接触式体温計はドリテックTO-401、サーモフラフィーはIHI検査計測FeverCheckを比較しています。
最近は新型コロナウィルス感染症の拡大防止として、サーモグラフィーを使用しての検温チェックをされている場所に出会うことも多々あるかと思います。
弊社でもFeverCheckというIHI検査計測社製の非接触 検温チェックシステムを導入していて検温チェックを業務の1つのサービスとしています。
発熱とは、高熱とは
発熱とは、感染症法では37.5度以上を発熱、38.0度以上を高熱と定めていて、日本人の平均体温は36.6度~37.2度ですが、普段の体温が高めの方だと0.3度の体温上昇で発熱ということになってしまいます。
ですのでサーモグラフィーカメラでの検温チェックも精度の高い測定結果を求められています。
そしてサーモグラフィーに興味がある方は、きっと同じ疑問を抱かれていると思います。それは、
「サーモグラフィーの体温表示は、はたして正確なのか?」
という疑問です。
また、市販されている体温計も短時間で測れる予測式やおでこや耳で約1秒で測れる非接触式体温計もあり、実測した体温と比べて正確なのか?
という疑問もあります。

サーモグラフィーカメラを検温チェックに使うということ
サーモグラフィーを検温チェックという用途に使用するのには正確性がないと、本当の発熱者を探し出すことが困難となります。
体温は体の中心部の温度(中心体温)を測定するのが理想とされていますが、サーモグラフィーは体表面部分の温度を測定しているにすぎません。
弊社が導入した非接触 検温チェックシステム「FeverCheck」は解析ソフトウェアで体表面温度から体温に変換しています。
体温計は一般には、わき、口腔内、肛門(おしり)、耳(鼓膜)などで測ります。
一般的に、中心体温に比べ体表面は温度が低下した数値になるそうです。
測定箇所が違うものでも、本当の発熱者を見つけられるのでしょうか?
今回は社内で電子体温計とサーモグラフィーを検証、比較をしましたのでその結果を記事にしました。また電子体温計も予測式、実測式のモードが有り、非接触式の電子体温計も併せて検証しています。
予測式での検温や、非接触式の電子体温計での検温に精度は高いのか、正確性はあるのかを実験してみました。
今回の検証機器はすべて日本製品を選びました。(国内流通が多いと思われるものを選びました。
検証に使用した機器

検証した項目、順序
検証項目は以下となります(測定順も上から順番に行いました)
電子体温計 MC-687(オムロン/わき専用)
① 予測検温(約15秒)を3回
② 実測検温(約10分)を1回(この数値が基準となります)
非接触体温計 TO-401(ドリテック/こめかみで計測)
③ 体表面検温(約1秒)を3回
9名が一巡してから、2回目の計測をしています。
サーモグラフィー FeverCheck(IHI検査計測/AI顔認証)
④ 体表面検温(瞬時)を3回
計測はサーモグラフィーカメラの前から有効範囲外まで歩いて測定しています。
9名が一巡してから、2回目の計測をしています。
以上、1名当たり計10回の計測をしています。
検証時の条件・環境など
被験者は弊社社員9名です。
場所は弊社の事務所内、室内28度 湿度65%で検温しました。
弊社では体温計での検温を毎日するようにしていますので、検温については慣れていると思います
被験者の人数も少なく計測環境も1か所ですので、この測定結果が全てではないことを明記させていただきます。
電子体温計による予測検温3回と実測検温1回の結果

結果を見ますと予測検温の結果と実測検温の数値は、必ずしも一致していないようなことになりました。
予測検温を3回行ったのは、大体の数値の平均値が出ることを予想してです。
予測検温3回の数値だけを見ると、それほどバラけておらず、それぞれ被験者の体温の傾向がわかるような数値になっています。
今回使用した電子体温計は予測式15秒というタイプで、予測式のなかでも短い時間で検温する機種です。流通している体温計には他に20秒、30秒、45秒などありまして、それらが予測式の精度を高めるのにどのくらい寄与しているのか気になるところです。
非接触体温計による検温3回の結果

こちらの数値は例外もあるのですが、大まかに先程の電子体温計の数値より低い数値が並んでいます。
こちらも検温3回の数値自体は、被験者ごとにはバラツキはあまりありません。
この非接触体温計は、測定値を「補正温度方式」という補正をかけて舌下の温度に換算して表示しています。
数値の傾向が全体的に低いのは、体表面を測定したからでしょうか?
サーモグラフィーによる検温3回の結果

弊社で導入したFeverCheckという非接触 検温チェックシステムを使用しましたが、特筆するのは被験者ごとのバラツキがほぼ無い数値の結果になりました。
FeverCheckは、キャリブレーターという「標準温度発生器」を併用して、このキャリブレーターの温度との差を測定して表示しますので、計測誤差の少ないことが特徴となります。
FeverCheckのメーカー(IHI検査計測 社)のスペックによると測定精度は±0.3℃(キャリブレーター使用時)ということで、多くのサーモグラフィーカメラの測定精度が±0.5℃という中で、正確性は高いといえます。
FeverCheckの数値は、非接触電子体温計の結果と近い数値になりました。
すべての結果をまとめた表
検証結果と考察
電子体温計 MC-687(オムロン/わき専用)
体温計の予測と実測では数値に少しバラツキが見られました。
しかし予測式のだけの結果でいうと数値は近く、毎日の体調管理で検温するには予測式で十分だと思います。なにより約15秒で検温出来るのは、毎日続けていくことに負担が少ない優れた方式だと思います。
非接触式体温計TO-401(ドリテック/こめかみで計測)
また、非接触式体温計も実測の体温に比べ少し低い値になりましたが、こちらも毎日の体調管理として使用するのに有効だと思います。
対象者に触れること無く約1秒で測れるのは、素晴らしい製品だと思います。
サーモグラフィーFeverCheck(IHI検査計測/AI顔認証)
今回の検証でサーモグラフィーカメラの測定数値が安定していて、非接触電子体温計の測定に近い結果が得られたと認識しました。
今回、導入したFeverCheckが十分に非接触 検温チェックシステムとして機能することがわかりました。
検証したサーモグラフィーシステムについて
今回、検証したサーモグラフィーシステム「FeverCheck」はIHI検査計測という会社の製品です。IHIという言葉を聞いてわかる方もいらっしゃると思いますが、かつて石川島播磨重工業株式会社と呼ばれていた会社で、IHI検査計測はそのIHIグループの会社となります。
IHI検査計測は空港の搭乗時の荷物チェックなどで使用するX線装置などを作っている会社で、サーモグラフィーカメラなどは信頼性に定評があります。
実際にFeverCheckは病院で導入されていて、入り口に設置され運用されております。
最後に
以上で検証としますが、これは被験者の人数も少なく測定条件の環境も1箇所のみの検証であるため、これがすべての結果に当てはまるものではないので、参考値として考えていただけたらと思います。
※サーモグラフィーカメラでの検温計測は、体表面温度を計測しその数値を解析して体温表示に変換していますので、薬事法での電子体温計にはあたりません。あくまでも目安の数値となります。
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